農業とIT:「畑らく日記」での記録例「記録」

無料で使える農業アプリ「畑らく日記」。兼業農家である私自身も自分自身の農作業履歴管理に使っています。テスト段階からの利用も含め、「畑らく日記」を使い始めてほぼ一年が経過したため、実績データをダウンロードして、Excelを使って簡単に集計してみました。
「畑らく日記」を使って、実際に何が見えるようになるのか、ご覧いただければと思います。

◆作業別工数割合
 作業別の作業時間を集計すると、一年間、どの作業にどれだけ時間を割いているかが見えてきます。小生の場合には、草刈りに35%の時間を費やし、次いで、2013年から営業開始したブルーベリー観光農園の受付に18%、観光農園の造園作業に18%を費やしているという割合が見えてきました。
 これにより、今後、草刈りや受付業務の中で定型化・マニュアル化できるような作業が定義できれば、パートやアルバイトを雇用することが計画でき、その分だけ、経営者としての私の時間を他に振り向けることができるようになるという選択肢が見えてきます。

◆圃場別作業別工数
 先ほどの作業別工数を圃場ごとに見ていけば、まだ観光摘み取り園を開園していない「B圃場」の今後の必要工数が推測できるようになりました。

◆曜日別作業別工数
曜日別の工数も、こうしてデジタルに見えるととてもわかりやすいですね。小生の場合には、木曜日は比較的他の仕事を入れているようで、金曜日と月曜日に作業が集中している傾向が見て取れます。

PDFファイルは、千葉IT経営センターのHPからダウンロードいただけます。


6周年を迎えることができました。

2013年9月14日、トゥモローズは創立6周年を迎えることができました。
一重に、お客様、仕事仲間、協力いただいているすべての方のお蔭でございます。
今後も一日一日、一歩一歩精進し続け、お客様の役に立つ、社会に価値ある、
そして、10年後にも恥じない仕事を積み上げてまいりたく思います。
 
ipp


許認可型社会インフラ企業のビッグデータ

JR東日本のSuicaデータ、NTTドコモの空間統計データ、それぞれ、事業化に動き出したビッグデータ元年の様相。
たしかに、NHKスペシャルでもみたように、ビッグデータにより、今まで見えなかったものが見えるようになり、新しい価値創造への大きな可能性を感じる。個人情報保護の問題についても、マイナンバー制度のシステムでも採用される概念である、データと個人特定情報を別々にわけて管理するという手法を採用すれば、性善説では問題は解決できる。

むしろ、気になるのはそのビッグデータの利用条件の方。

まず最初にビッグデータ分析というもののアプローチ面。
NHKスペシャルでもみたように、最初から答えが分かってビッグデータを分析するというアプローチはない。いくつかの不確実な仮説があって、それを少しずつ分析検証していくことで何らかの成果が見えてくる。八百屋で野菜を買うようなものではなく、一定の期間試行錯誤する、というのが利用の在り方。

極端に言えば、試行錯誤の結果、まったく企業活動としての成果(=利益)に結びつかない分析結果に留まってしまう場合もある。それでもデータは分析しないと見えてこない。

つまり、お金がかかるから分析をあきらめる、という行動になってしまわないか、という懸念。
まあ、民間企業はそれも含めてやるかやらないかすべては経営者の腹積もり次第だけど、特に、中小企業そして、大学や研究機関、行政機関でのビッグデータ利用にブレーキがかからないかどうか。

とはいえ、JR東日本でもNTTドコモでも、運営上の最低限のコスト(それも、通常の交通・電気通信サービスとは別の稼働に係るコスト)は発生するので、そこの費用をシェアするのは当然の世界。また、コストがかかる以上、一定以上の利益を求めるのも当然の権利。収支トントンなら株式会社が成り立たない。
なので、できれば、そういった一定額の負担に加えて、プラスアルファの部分は、レベニューシェアのような形になっていると良いなと思う。得られた「価値」の対価をシェアするようなカタチ。もちろん、「価値」をどう計算するかはめちゃくちゃ難しいけど。
あるいは、行政や中小企業(の連合体)が利用する場合には、少し利用条件をお得にするなど、工夫を是非してもらいたい(立派な企業だからそんなことは既に検討済みです、ということかもしれませんね)。

もう一つ気になるのは、既に民営化されているとはいえ、そもそも許認可を受けて、参入障壁がある中での社会インフラを担う企業が、その事業を通じて得られた情報を完全に我が物にしてよいのか、という点。
社会主義的考え方なのかもしれないが、なんとなく腑に落ちない部分がある。

新たな社会インフラであるビッグデータ。それは、多くのインフラ事業が最初は国営から始まったのと同様に、国の関与が必須の分野じゃなかろうかと思う。インフラとして特定企業の財産というよりは、国としての財産にして国力を上げる方向で利用できる環境づくりをしてほしい。(イデオロギー的な発想ではなく、経済的発想として。)

とはいえ、既に民営化されている社会インフラ企業であるから、事はそう簡単ではないですよね。関係の方も頭を悩ましていることでしょう。
一つの仕切り方としては、例えば、ビッグデータの一部(データ項目が100あるとして半分の50とかいう意味の一部、標本数は維持しつつデータのリッチさでいう一部)については、国の機関(どこかの財団法人とか?)が一括して集めるようなルールにしてはどうだろう。その国の機関は、それを、行政や中小企業など、必ずしも費用対効果が明確に見えないような利用者にも限定的負担で利用できるようにする。国の財産として利用する。

例えば、NTTドコモの空間統計であれば、人数情報までは国でシェアする、そこには性別や年齢などの情報は付与されない。それが欲しかったらNTTドコモにお願いする。人数情報だけでも、それなりのことができるようになると思う。
そんなことをしてくれたらいいのに、とニュースを見て思いました。


BCN Bizlineでご紹介いただきました。

BCNさんのオンライン媒体「BCN Bizline」にて、当方がご支援した「畑らく日記」プロジェクトについて、記事を掲載いただきました。

IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!
119.イーエスケイ(上) ITCと協力して農業向けアプリを開発
 
120.イーエスケイ(下) 農家の生産管理を支援


ビッグデータの本当のインパクト 新しい「小資源型経済」へ!?

今夜はNHKスペシャル「震災ビッグデータ2」が放送されました。
携帯電話のアクセス履歴やツイッターのつぶやき、帝国データバンクのデータを解析することで、復興のカギとなる動きが見えてきた、というもの。
あらためて、ビッグデータのインパクトを感じたかたも多かったと思います。

少し話がそれますが、ちょうど昨日、10年前の本を書棚から出してきて読んでいました。
「人口減少 日本はこう変わる」(古田隆彦 PHPソフトウェア・グループ発行)
これは、私が独立する前夜に手にした本で、これからの社会では大きな価値観の変化が訪れるという切り口に大きな影響を受けたものです。

この本の理論的骨子になっているのが、文中で紹介されている「人口波動」という理論。
乱暴に説明してしまえば、石器時代から今日まで、ある切り口で人口増加を見ると、結局は5回同じことが繰り返されているというもの。
人口増加の流れの中で、当代末期には人口増加スピードが加速して、当時の技術的常識の中での人口飽和状態に近づく。そこで人々はストレスを感じ(満員エレベーター化する社会)、攻撃的になり、そして、攻撃性をおとしてひきこもる、という流れ。
 石器前波
 石器後波
 農業前波
 農業後波
 工業現波

しかし、末期には何らかの技術革新(石器→農業→工業)が起こり、あらたな人口キャパシティの世の中に変化して、人口増加が続いていく、というもの。
元に戻りますが、ビッグデータは、まさにこの時代を変える技術革新ではなかろうか、と最近感じています。

ビッグデータも情報処理技術の一つですが、今までの情報処理と何が違うのかといいますと、今までの情報処理は、人手の作業を効率化する、というのが基本的概念だったと思います。
 多くの計算を機械にやってもらう、そのスピードをあげる。
 遠くの人に連絡をとるのに、飛脚から電信へ。
これは、石器・農業・工業という大きな時代の流れでいえば、あくまで「工業」という社会の中での生産性向上だったと思います。
産業経済の根幹は三次産業・製造業で、産業革命以降ずっと変わらない。

これに対してビッグデータは、これまでの情報処理とは、まったく違うインパクトをもたらします。
「見えなかったものが見えるようになる」というインパクトです。

NHKスペシャルでは、以下が解説されていましたね。
・携帯電話のアクセスログを解析することで、リアルに近い住民数の推測ができるようになった
・帝国データバンクの売上増減情報と取引先情報を分析することで、コネクションハブと呼ばれる中核企業が見えてきた
・つぶやきを解析することで、人々の意見の変化まで終えるようになった

「見えなかったものが見えるようになる」となにが起きるのでしょうか?
わかりやすく話をピンポイントで例示しますと、「コネクションハブ」の企業がわかれば、投資会社はそこに投資するようになる。そことの取引を望む企業が増える。経済的な失敗が減る。
リアルに近い住民数や人の流れががわかれば、例えば小売店の出店リスクが減少して、儲けが出やすくなる。
わかりやすくお金の話だけしましたが、つまりは、より経済活動が効率的になるということです。

経済活動が効率的になるということは、ムリムダムラが減っていくということ。
資本や資源や時間を無駄にしなくてすむようになる。
少ない資本で、少ない資源で、効果を最大化できるようになる。
食品ロスのようなことも減ってくる。
在庫を抱えて困ってしまうことも減ってくる。
渋滞なんかも減るかもしれない。
理屈で言えば、最適な電力配電網のようなものができれば、今の半分の発電力で経済が成り立つかもしれない。

これまでの工業現波の世界では、当たり前に「仕方ないよね」といってムリムラムダにしてきたことが不要になる。
これは、新しい「小資源型経済」の始まりではないでしょうか。

社会の前提が随分と変わると感じます。
大会社志向のようなものへもインパクトがあるでしょう。
大きくなくて良い。小さくても知恵があればよい。逆に大きくても知恵がなければダメ。

その意味で、ビッグデータは、社会インフラとして利用できるものにしなければいけませんね。