【中小企業とIoT】今後50年の会社経営に求められる大きな仕事

【中小企業とIoT】

「Airbnb(エアービーアンドビー)」や「Uber(ウーバー)」という新ビジネスの話題を耳にしたことがあるでしょう。前者は空き部屋を旅行者に貸し出す民間宿泊業的なもの。
後者は自動車の相乗り的なものですね。いずれも昨年話題になった「シェア」型のビジネスですが、このシェアという概念は、単なるブームではなく今後の会社経営において必然となるビジネストレンドとして、その重要性は高まっていくだろうと筆者は考えています。

2020年に東京に二回目の五輪がやってきます。前回開催の1964年から実に56年ぶりとなりますが、振り返ってみればこの50年間、日本はとても大きく変化してきました。
カー・クーラー・カラーテレビを筆頭に、ウォークマンやウォッシュレット、携帯電話、コンビニエンスストアなどなど、本当に様々な製品やサービスが登場し、おかげで日本はとても選択肢豊かな社会になりました。

でも、この時代でも、実は全く変化していなかった部分が一つあります。
それは、世の中で働いている人の比率です。
全人口に占める年齢層別の人口構成比を1965年と2000年を比較してみますと、年少人口(14歳以下)の比率は全体の25%から15%に、老年人口(65歳以上)の比率は6%から17%に変化しています。
そう、少子高齢化ですね。では、生産年齢人口(15歳~64歳)の比率はというと、この間、68%~69%でほとんど変化していません。

ところが、その生産年齢人口の比率は東京五輪の年には全体の59%へと一気に10ポイントも急減し、2050年にはさらに52%まで減ることが予測されています。
人口でも、2000年比で2050年には58%にまで大幅に減少、しかも、老年人口は実はほとんど減らない。
つまり、わかりやすく言えば、これまでの50年間は会社という存在は一定のまま、社会が子供中心から高齢者中心にシフトした時代でしたが、これからの50年間は、社会は一定のまま、会社、働き手だけが猛スピードで半減する時代になるのです。

もしこのまま会社の数が変わらないならどの会社も人手不足になります。
必然的に、会社数は減るし、商圏、商品、サービスレベル、会社の機能なども見直しを迫られる。
一つの会社ですべてをまかなおうというのが土台無理になる。
事業構造の枠内で経営を考えるのではなく、事業構造の枠組みそのものを考え直さないと立ち行かなくなります。
冒頭のシェアに象徴される事業連携や再編が不可欠になるというわけです。

すでに、シェア型ビジネスの例は枚挙にいとまがありません。
印刷所の印刷機の空き時間をシェアした「ラクスル」、トラックの空き荷スペースをシェアする「ハコベル」、縫製工場の空き時間をシェアする「シタテル」。
ギャラリーや飲食店内で家具を販売するコラボ型の「BRIDGE日本橋」や「カッシーナイクスシー」、宅配便の受け取りや洋服のお直しなどコンビニのシェアも進んでいます。

新興勢力だけではありません。味の素やカゴメなど大手食品メーカー6社は商品配送・物流拠点利用の共同プロジェクトを北海道で始めています。
日本郵船、商船三井、川崎汽船によるコンテナ船事業の経営統合、オイシックスと大地を守る会の経営統合なども最近のニュースです。
12/25の読売新聞では、東京TYフィナンシャルグループが、中小企業の事業承継やM&Aを支援するコンサルティング会社を来春設立するという記事も出ていました。

必ずやってくる他社とのシェア・連携・統合に備えて、ITやIoTにより会社経営のデジタル化を間断なく進めていくことが、これから50年の会社経営において経営者に求められる大きな仕事の一つとなります。

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「多摩IoT Forum(TIF)通信」に寄稿したバックナンバーを許可をいただいて転載しています。
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