ITをもっと上手に使えばもっともっと素晴らしい世の中になる。

ITはまだまだその秘めたパワーは大きく、こんなもんじゃありません。もっと世の中を良くしてくれるし、幸せにしてくれる。
ITのプロフェッショナル、マーケティングのプロフェッショナルが、もっと適切にその価値、使いこなし方を伝えていかなければなりません。
そういった責務を強く感じて仕事をさせていただいています。


トゥモローズ10周年

ありがとうございます。
2007年に独立して10年経ちました。いろいろなことがありました。
いろいろなことに挑戦させてもらいました。

浅はか、未熟、我慢不足といったことでご迷惑をたくさんおかけしてきましたが、
結局はいつも皆様に暖かく支えていただきました。

当時は何とか生き抜こうと力んでいましたが、
おかげさまで今は、ずいぶんと自然体になってきた気がしています。

もう10年、まだ10年。感謝の気持ちをもって、仕事に対して真摯に向き合い続けてまいります。
これからトゥモローズの第二フェーズ。引き続きご指導くださいませ。


【中小企業とIoT】中小企業にとってのVR/ARを考える

【中小企業とIoT】

最近、VR(Virtual Reality・仮想現実)、AR(Augmented Reality・拡張現実)、MR(Mixed Reality・複合現実)、そしてSR(Substitutional Reality・代替現実)なんていうのもありますが、これら、“現実世界とコンピュータ世界を融合した視野・体験を提供してくれる技術” に大注目しています。
「ポケモンGO」でおなじみ、スマートフォンをかざすと現実の空間にキャラクターが登場したり、360℃撮影した映像コンテンツをVRゴーグルで視聴するとあたかもそこにいるような疑似体験ができるといったものですね。

VRの体感エンタテイメント施設が都内に相次いでオープンしたり(池袋、お台場、渋谷、秋葉原)、製造・住宅・医療などさまざまなビジネスでも大きな関心を集めています。
・設計データから完成後の様子を立体的に確認できる(製造、造船、建築等)
・スマートグラスに機械や設備の操作手順を表示してくれる(保守、修理等)
・現場にいかなくても疑似体験トレーニングができる(高所、危険、複雑な操作等)
・ベテランが遠隔指示することで経験の浅いスタッフも戦力となる(点検、保険、農業等)

技術的には黎明期で、巨大なVRゴーグルをかけている姿は、携帯電話がかつてショルダーホンと言われていた時代を彷彿とさせますが(笑)、今後、急速に技術の進展と実用化が進んでいくことが期待され、おそらく、東京オリンピックがやってくる頃には、さまざまな産業で新しいユースケースが実用化されるようになっているのではないでしょうか。

さて、注目のこの技術、中小企業ではどのように活用できるのでしょう?
その前提として考えなければならないのが、「コンテンツ」の問題です。
今後、使いやすくて安価なハードウェアが登場したとして、そのハードウェアで楽しむソフトをどのように用意するか。これを解決しないと前に進みません。
VR映像などの制作にはそれなりの予算が必要ですし、コンテンツ開発を効率アップしてくれるツールが登場して価格低下が期待できたとしても、一つ一つ制作するための企画開発の時間と手間はかかります。少量多品種の中小製造業で、設計データのVR化なんて都度やっていたら日が暮れてしまいます。

そうなると、“Write once, run anywhere”ということで、一度作ったコンテンツを何回も再利用できる経済性のある分野から導入が進んでいくと考えるのが自然です。
エンタテイメントや観光はわかりやすいですよね。一つコンテンツを作れば多くのお客様に見てもらえる。では、ビジネスではどうか。筆者は、「教育」での導入が進んでいくだろうと考えています。製造機械や設備の操作方法、高所や危険箇所での作業手順の事前確認、といった分野です。人材教育や人材派遣などの人材サービスを提供する企業での導入も不可欠になるのではないでしょうか。

もう一つは、単純にスマートフォンのディスプレイとしてスマートグラスを使う形態です。すでにセイコーエプソンのMOVERIOや米VUFINE+などの製品はこれに対応していて、スマートグラスでスマートフォンに着信した電子メールを読めたり、インターネットを閲覧したりできます。

ん?わざわざスマートグラスをかけてメールは読まない?まあそうかもしれませんが、例えば細かな作業指示が書かれた文章や操作マニュアルだったらどうでしょうか?分厚い機械の操作マニュアルを持ち歩くわけにはいかない、スマートフォンやタブレット端末もいいが手がふさがってしまうし、汚れた手袋だと操作できなかったりもする。
スマートグラスなら従業員がかけたメガネに情報が表示される。両手はフリー。文章じゃなくて写真や動画でもOK。作業しながら視界に説明情報が入ってくることで、間違いやミス、事故を減らすことができる。こういった使い方なら、今あるコンテンツ(マニュアルやオフィス文書)をそのまま活用できるので、すぐに実用化できます。

とても未来感のある技術であるVR/AR/MR/SRですが、中小企業にとって足元で深刻な課題となっている人材育成をサポートする有力なツールになるのではないか、筆者はそのように考えて大注目しています。

以上

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「多摩IoT Forum(TIF)通信」に寄稿したバックナンバーを許可をいただいて転載しています。
 東京都中小企業振興公社 多摩支社 HP http://www.technology-tama.jp/
 セミナー等の開催報告 http://www.technology-tama.jp/ipf/etc/


【中小企業とIoT】見聞録 青梅市:武州工業株式会社様

【中小企業とIoT】

梅雨入り間近の6月初旬、多摩IoTフォーラムの活動の一環で、青梅市の武州工業株式会社に訪問見学の機会をいただきました。
同社は、IoTを先駆的に活用している中小企業として高く注目されており、「攻めのIT経営100選」や「はばたく中小企業300」にも選定されています。
この日は、林英夫社長からとても貴重なお話をお伺いすることができましたので、簡単な訪問レポートとしてまとめさせていただきます。
(※内容については林社長に事前のご確認と開示のご了承をいただいています。)

武州工業株式会社は、昭和26年創業の自動車用熱交換器パイプ、および板金部品の製造を行なう従業員160人ほどの会社です。
青梅から世界へ、を合言葉に、日本に根差しながらグローバル市場でコスト競争力ある高品質な製品を生産し供給しています。
同社のローコストなものづくりを実現するカギになっているのが、1987年から導入し改善し続けている「一個流し生産ライン」。
この一個流し生産ラインでは、生産から検査までを一人の従業員が担います。
同社に検査課という組織はありませんので、生産した商品は原則としてそのまま出荷されることになります。
部品を一つ生産するたびに検査を行うことで全数品質保証を実現する、同社の競争力の源泉となっている仕組みです。

そして、この仕組みを下支えするのが、一つには多能工化であり、もう一つが設備の自社開発への取り組みです。
特に後者は、生産性と品質を向上させるための設備や治具を、従業員自ら考え、工夫して整備していく、それにより道具を使う腕前も向上していく、という同社にとってとても重要な基盤となっています。
自律性が大切になるこの考え方を、林社長は「ラーメン屋スタイル」と説明されました。
つまり、一人一人が一軒のラーメン屋の店主としてラーメン一杯に責任を持つ。スープだけ作る人、盛り付けだけする人、と分業するのではなく、仕込みから道具の準備や整備まで含めて製品一つの完成に最初から最後まで責任を持つ。
道具を作り(自社設備開発)→人に任せ(多能工)→人を信頼する(一個流し生産ライン)、そういった打ち手の連鎖によって、自動車部品という長期の商品供給が求められる取引でも品質保証し続けられる仕組みが実現されているのです。

IoTは、まさにこの自社設備開発という観点で利活用が進められていました。
当日見学した、iPod touchを工作機械に取り付け、内蔵の振動センサーによって機械の動作を検知して生産個数をカウントする仕組みも社内で構築したもの。
計測されたデータは時系列に展開され、生産の“ペース”が可視化されることで、“店主”は計画と実績との差を生産途中で自ら確認しながら作業を進めていくことができます。
他にも、製造工程の最終段階で利用するカメラ画像解析による検査装置も、同社独自仕様で開発するなど、いずれもが、一個流し生産ラインを支える大切な道具となっています。

訪問を終えて強く印象に残ったのは、“一つ一つの打ち手がバラバラではなく、一貫性があって全体として整合している”という点です。
IoTの事例というと、どうしてもセンサーの機能や蓄積されたデータの可視化方法に関心が行きがちですが、やはり、IoTは手段であって目的ではないんですね。
同社はまさにそれを実践していて、そもそもどういう経営をしたいのかという経営理念が先にあり、それを実現する幾多の打ち手があって、その中にIoTやITが位置づけられている。
それ故に、打ち手同士が自然と相互に有機的に連鎖し合ってさらに全体の仕組みを強靱にしていく。IoTという新しい技術もしっかりと“なじんで”いる。
主客が明確であると、迷いなく、覚悟を持って投資することができるんですね。

以上

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【中小企業とIoT】AIを組み合わせて使う!?なるほどです。

【中小企業とIoT】

IoTのように日進月歩のテクノロジーを経営に活かしていくためには、急速に流れていく大量の情報の中から、今の自社にフィットする情報をタイムリーに的確にキャッチすることがとても重要です。

ちなみに、筆者の情報収集方法は主に3つあります。
1つはテレビとネット。マスメディアですね。ニュースサイトやTV番組、SNSを通じて世の中が何に関心を持っているのか、価値判断の軸はどう流動しているのか、そういうマーケットの機微を見ています。
2つめは現場。これは企業の製造現場や商店の店先、ショッピングモールや公共交通機関、書店においてある書籍などから、現実世界の興味関心、建前と本音、理想と現実、マスメディアとリアルとの温度差などを感じます。
そして3つめは新聞です。マスメディアでは話題にならないけど、現実社会の動きを示してくれる小さくても一つ一つの事実が各紙のフィルターを通して掲載され、思わぬ発見やヒント、きっかけをくれます。

今回のメルマガでは、そんな新聞紙面から最近のIoT関連ニュースを3つほどピックアップしてみました。

◆「イヤホンで個人認証 NEC」 (日経産業新聞 2017/5/26)
ウェアラブルデバイスは筆者としても大いに注目しているジャンルです。アップルウォッチなどの腕時計型端末も登場していますが、さらに小型化して、耳にさして使うイヤホン型の機器をNECが開発したそうです。小さな筐体にマイク、スピーカー、複数のモーションセンサを搭載していて、顔の向きや姿勢、屋内での移動情報を計測したり、耳の中の大きさを計測して個人を特定することができるそうです。
まだ実証実験用プロトタイプ端末だそうですが、デバイスの小型化は止まるところを知らず、どんどん進んでいきますね。ちなみに、NECのサイトには「ヒアラブルデバイス」という新しい言葉で紹介されてました。

◆「複数のAI、監査に活用 トーマツが特許」 (日経産業新聞 2017/4/11)
AIも昨今大注目のビッグワードですが、そのAIを複数組み合わせて使ってしまおうという記事。AIは過去のデータを効率よく分析し傾向を示してくれる一芸に秀でたスタッフみたいなものですから、それは一人よりも二人がいい。一つのAIよりも複数のAIを組み合わせた方が確かに精度は上がりそうです。
記事には、「財務諸表や営業記録、交渉履歴のテキスト分析を通じ、いち早く経営の傾向を把握。製品の品質管理や企画、マーケティングの精度を向上させる。」とあります。以前、AI関連の記事で、“経営者もAIにとって代られるのか?”なんていうショッキングな内容を目にしたこともありますが、意外や意外、現実になるのかも・・?

◆「パン作りAIで効率化 配置最適化、ロボと連動」 (日経産業新聞 2017/5/24)
福井県にあるパン類の製造・卸業を営む株式会社オーカワパン(従業員75名)では、AIを使って製造や人員配置の最適化に取り組んでいます。一つはAIを使った業務管理システムで、スキルや人数、製造手順に応じて毎日の人員配置と製造計画を組み上げる。もう一つは、AIと連動した自動成型ロボットによる製造時間の短縮。日々の実績やエラーの情報をフィードバックして精度を上げていきます。
生産計画をコンピューターに計算させる取り組みは以前からありますが、AI活用のメリットは、実績やエラーを加味して学習していくところ。最初は精度が悪くても、徐々に精度が向上し、実態に近いものになっていくんです。子供と一緒ですね。
この分野、中小企業での取り組みもどんどん進みそうな気がしています。

そうそう、パンとAIと言えば「BakeryScan(ベーカリースキャン)」もチェックしておきましょう。兵庫県の株式会社ブレイン(従業員20名)が開発したパン屋さん向けのレジ端末で、トレイに乗せたパンを画像スキャンしてレジ精算できてしまうもの。10個程度のパンを一瞬で読み取って種類と金額をはじき出してくれるので、新人も即戦力としてレジ係ができる。すでに100店舗以上に導入されているそうですよ。
焼きたてパンにはバーコードは付けられない、手作りだから形状も微妙に違うなど、なかなか簡単な開発ではなかったそうですが、お手本データによる学習方法を工夫したり、100%の精度を求めず最後は人が修正する前提の仕組みにするなど、「技術」を「実用」にうまく適用した大変参考になる事例です。

以上

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【中小企業とIoT】筆者がこの連休に猛勉強したIoT

【中小企業とIoT】

私自身の話で恐縮ですが、ありがたいご縁があって、今年から農業IoTの開発プロジェクトに取り組む機会をいただきました。
そのプロジェクトは、水田に設置したセンサーから得られたデータをクラウドに集めて解析し、そのクラウドから水田に設置したIoT機器を遠隔制御する、というまさに、IoT全部乗せ、オールインワン的な取り組みです。

このプロジェクトで最大の課題になっているのは、水田に設置するIoT機器の設計と開発です。
屋外に設置し、耐水性が十分あり、必要最低限の電力で動き、しかも、できる限り安価に、というチャレンジで、歯車とかモーターなど機械の仕組み・構造・機構の工夫と、適切な電子制御の設計という「メカトロニクス」の分野です。
数学とか物理が苦手で文系人生を歩んできた筆者ですが、ここに至ってそうは言っていられず、一から勉強のし直しとなりました。このゴールデンウィークはとにかくメカの基本を理解しようと書籍や実験キットを買い込んで猛勉強(一夜漬け?)です。

考えてみると、IoTといえば、安価で入手しやすくなったセンサーによって製造装置や設備の稼働状況を可視化しよう、といった話題や、数多くのセンサーから集まったビッグデータを集積して解析しよう、LPWA(Low Power, Wide Area)と言われるIoTのための新たな通信技術の開発や、映像解析などを活用した人の動作や暗黙知のAIによる分析などの話題を多く目にしますが、これらの話題は、どちらかと言えばソフトウェア分野に偏っていたように感じます。
私のこれまでの興味・関心がそちらに偏向していただけ、という側面もあるのかもしれませんが、そもそも、IoTブームのきっかけとも言えるドイツのインダストリー4.0や、米GEのインダストリアルインターネットのコンセプトも、表面的にはソフトウェア分野のイノベーションとして語られています。

米国のIoTプラットフォームベンダーであるPTC社によれば、IoTのステージは三段階に分けられるそうです。
第一段階が「モノの見える化」、第二段階が「モノの制御」、第三段階がAI活用などによる「モノの最適化・自律化」。
確かに、製造装置の状態が検知できた、カメラで遠隔地の様子が見えた、そうなれば、次に取り組みたいのは、やはり、そのモノ自体の制御ですよね。
現地の機械を遠隔地から動かしたい。人が赴いて操作する代わりに自動的に動作させたい。
大きい括りで言えば「ロボット」ということなのでしょうが、ドローンとかルンバのように、人間の身近で人間の作業をシンプルに代替してくれるメカ、それを通信とコンピューターで制御する。
これからはそういうIoTハードウェアの話題がもっと増えてくるのかもしれません。

その点、農業IoTに取り組み始めた中で重要だなと感じたのは、高精度で高機能なメカばかりではなく、安価で単機能なメカも必要だということ。
企業が新製品の設計開発に取り組む際、後になって機能不足を指摘・批判されるのを避けるため、保険的な意味であれもこれもと機能をてんこ盛りにしてしまうクセのようなものがありますが、IoTの世界ではむしろ人間が行う単純作業の代替としてのシンプルで木訥(ぼくとつ)な機構が求められているように思います。
人手不足という社会的背景もあって、これまで人手で対応してきた比較的単純な作業をIoTで解決したい。
IoT化したことでかえって費用がかかるような本末転倒にならないように、ある程度割り切った機構の採用が求められる。
同じ理由で、数カ所に高度で高性能なメカを配置する一方で、木訥なメカを数多くの場所に配置することもまた求められている。
ここでは、機能を捨てる、そぎ落とす、創意工夫によりコストミニマムで動作させる、というモノづくりの原点のような世界があるように感じます。

以上

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