ビジネスチャットツールに注目しています。中小企業の生産性向上にどのように活かせるのか。

チャットツールというのは会話形式でメッセージをやりとりするソフトやアプリのことで、代表的なのはLINEですかね。
皆さんもすぐにイメージできるかと思いますが、文章だけでなくスタンプや写真のやりとりにも使える、
手軽なコミュニケーションツールです。
このチャットツールを、会社として契約して導入し、仕事専用に使おうというのがビジネスチャットツールで、
近年とてもたくさんのサービスが登場しています。

筆者個人でも、ここ2年ほどはこのチャットツールを公私ともに使う機会が格段に増えてきました。
・家族や友人とLINEで
・仕事仲間とFacebookメッセンジャーで
・プロジェクト仕事をBacklogやTeamsで
・商工会議所関係とChatWorkで

ネットで検索してみると、会社のコミュニケーションツールの定番である電子メールとチャットツールとの
違いや使い分けについて様々に解説されていますが、チャットツールの最大のメリットは2つあると思います。
1つは気軽なコミュニケーションができること、もう1つは、スマホ・タブレットで使えるということです。

電子メールって、基本的には記録に残す、ストックとしてのコミュニケーションだと思います。
何月何日のメールで連絡した通り、みたいな。
ところが、チャットは過去にさかのぼってやりとりを見返すのはとっても苦手な、フローのコミュニケーション。
残らない、流れていくんですね。だから、意識せずとも気兼ねなく、感想や印象、気づきを「会話」的に返信できる。
メールのような署名欄もいらないし、「○○様」とか「お世話になっております」とかもいらない。
なんならOKと一言だったりアイコンだったり、写真だけでも用が足りる。
どちらも情報を複数人で共有するために有効なツールですが、メールではどうしたって慎重に発言するのに対して、
チャットなら思ったこと、率直な意見も出しやすくなる、自然にフランクな会話ができる。ツールがそうさせるんですね。

そしてそのフランクな会話を、スマホ・タブレットのおかげで、現場で、現場とできる。
現場での発見、課題、問題提起、もちろん進捗報告も気軽にできるようになる。

筆者も参加している静岡での農業IoTの実証事業では、アプリの操作用に農家さんにタブレット端末を配布していますが、
最近、実験的にチャットツールであるGoogleハングアウトも追加でインストールしてみたんです。
もともとは農家さんへの一斉連絡を効率的に行えるようにという事務局側の意図での試みだったのですが、
実は思いのほかコミュニケーションが活性化してきまして、最近では農家さんから自発的に改善提案や気づき、
ちょっとした意見なども投稿されるようになってきました。
プロジェクトとしてはそういった一つ一つの生の声がとても役に立ちます。

それまで農家さんへの情報伝達は、ある窓口を経由して、なんてことになっていたので、
知らず知らずのうちにその人の手間暇を考えたりして、情報伝達の頻度を落としていたんですね。
まとめて伝えようとか。整理してから伝えよう、と。
農家さんからも、定例の会議では積極的に意見を発言してもらっていましたが、やはり、
農作業の現場での思いつきとか感じたことを後日の会議で説明しても、どうしてもパッションとか想いが薄らいでしまう。

思えば過去からの情報化って、基本的にはオフィスワーカーを対象にしたもので、
デスクに座ってPCを開いてから使うものがほとんどでした。それがスマホ・タブレットで一変しました。
現場で、現場と直接コミュニケーションできるツールが登場したんですね。

IT活用というと、生産管理システムを導入して業務フローやルールを見直して・・となりますが、選択肢はそれだけではない。
チャットというシンプルなツールによって、
今まで手にしていなかった現場のフランクな生の情報をリアルタイムで得ることができるようになる。
それは決して軽微なインパクトの話しではありません。

少し前に無人航空機ドローンが登場した時、農業界隈ではこぞって購入する動きが見られました。
何に使うかというと、農薬散布とか畑センシングとかいう革新的な話しではなく、単純に上空から畑を眺めるため。
今までは見えなかった情報が手に入る。それだけで十分意味があると。
新たな視座から新たな情報が得られれば、これまでの経験と照らし合わせて新たな発見を得ることができる。
情報化とはそういうことなんだと思います。