ITをもっと上手に使えばもっともっと素晴らしい世の中になる。

ITはまだまだその秘めたパワーは大きく、こんなもんじゃありません。もっと世の中を良くしてくれるし、幸せにしてくれる。
ITのプロフェッショナル、マーケティングのプロフェッショナルが、もっと適切にその価値、使いこなし方を伝えていかなければなりません。
そういった責務を強く感じて仕事をさせていただいています。


【中小企業とIoT】どこから手をつける?会社のデジタル化

【中小企業とIoT】

現在進行形で確実に到来しつつあるIoT社会。
各企業が生き残りのためにすべきことは「会社経営のデジタル化である」という
お話をこのコラムでしてきましたが、さて、どこから手をつければいいのでしょうか。
安価になったセンサーを買ってきて会社のどこを可視化するのか。
データベースを構築して会社のどんなナレッジを蓄積するのか。
これらを見定めないことには始めようがありません。

経営者であれば、センサーを使って計測してみたいことや、
システム化・データベース化したいものは、あれもこれもとすぐに思いつくでしょう。
日頃から会社の中には解決したい問題は山積しているものですからね。
ITやIoTを使って効率化できるなら何でも取り組みたい。そう思う経営者の気持ちはよくわかります。
しかしながら経営者も人間ですし、現場で働くのもまた人間です。
集中して取り組めるものは現実にはそんなに多くない。
逆に、取り組み事項を増やせば増やすほど、力が分散し、徹底がおろそかになり、
次第に中途半端になってしまう。やはり、会社の経営強化に直結するポイントに焦点を絞って取り組みたいですよね。

そのために必要なのは、これからどのようにITを活用した経営を進めていくかという計画書、羅針盤です。
筆者は「IT経営ロードマップ」と呼んでいます。
いわゆる経営計画ですが、特にIT徹底活用の視点から整理した経営計画です。
これから会社としてどこに向かっていくのか、何が重要な経営施策になってくるのか、
ITをどのように活用して経営を強化していくのか、そういったビジョンを描くことが先決です。

IT経営ロードマップを描くために必要な視点には次の3つがあります。
1)過去からの変化蓄積によるミスマッチの解消(目の前の課題)
2)競争優位を産み出す仕掛け(未来に向けた打ち手)
3)やるべきことをきちんと高速回転できるインフラ(企業体質の強靭化)
前述の通り、1)は通常すぐに描けるでしょうから、もっとも重要なのは2)です。
ちなみに3)は、経営のPDCAサイクルを回すという主旨なので、2)が決まれば自明となります。

2)にある「未来」とは10年後とします。10年も経てば、経営体制に変化があるでしょうし、
社内の人材も育ってくる、事業環境も大きく変化する、顧客のニーズも今とは違うものになるし、
人の採用や他社との事業連携だってこれまでの前提は通用しなくなってくる。
その時に、あなたの会社はどういう存在であり続けているのでしょう。社会に対してどんな価値を提供しているのでしょう。

10年後の顧客は?商品は?販路はどうなっているでしょう?
10年後の会社の業務プロセスは、どれだけ機械化・自動化されていますか?
社内でやるべき業務とアウトソースするべき業務はどんな基準で分別できますか?
10年後に会社の強みとして持っているべきノウハウはどんなものですか?
技術、品質、サービス、顧客対応、など、何が中核ノウハウになるんでしょう?
10年後にそうあるために、どんな“学び”が会社として必要ですか?
学ぶべきものは明確ですか?どのように学びますか?何を体系化して引き継いでいくべきですか?
そして、その10年後の会社のために、今から段階的に、ITやIoTをどのように徹底活用していきますか?

先日セミナーでお会いした建築関係の中小企業は、自社が扱う建築資材の業界横断的な
トレーサビリティのインフラを構築することを未来図として描き、そのために、
どんなIoT技術が使えるのか、積極的に質問されていました。
埼玉の事業用サービス会社では、10年先を見据えた会社の経営戦略を策定した上で、
ITとIoT活用の明確なビジョンを定め、その取り組みの第一歩として、この4月から、
センシングすべき業務個所と方法を調査研究するプロジェクトをスタートします。

さあ、あなたの会社もIT経営ロードマップを描くことから始めましょう。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
「多摩IoT Forum(TIF)通信」に寄稿したバックナンバーを許可をいただいて転載しています。
 東京都中小企業振興公社 多摩支社 HP http://www.technology-tama.jp/
 セミナー等の開催報告 http://www.technology-tama.jp/ipf/etc/


【中小企業とIoT】AIブームが示してくれる、シンプルなこと

【中小企業とIoT】

AI(Artificial Intelligence、人工知能)への関心が高まっています。
Googleの音声検索やiPhoneのSiri、お掃除ロボットなどはすでに身近に利用されていますし、
自動車やドローンの自律制御の研究も進んでいます。
先月には、企業の決算情報をAIが自動的に記事にして配信する取り組みを日経新聞が始めるなど、
AI関連の話題に事欠かない毎日です。

このAIブーム、過去から数えて3回目になるそうです。
情報通信白書によれば、1回目は1950年代後半からで、
コンピューターによる「探索」と「推論」が可能になったことで研究が進展しました。
2回目のブームは1980年代。推論に必要な「知識」をコンピューターに与えることで実用性が高まり、
多数のエキスパートシステムが生み出されました。ただ、様々な情報を知識として
コンピューターに与える作業が大変だったため、対象領域は限定されていました。
そして今回です。「機械学習」によってコンピューターが自ら知識を獲得するようになり、
さらに「ディープラーニング」により複雑な事象の解析へと大きく可能性が広がりました。

この先もさらに発展が見込まれ、多くの仕事がAIにとって代わられるようになるとか、
2045年にはAIが全人類の知性を超える「シンギュラリティ」が到来するなどの予測もされています。
何が本当か、実際どうなるのか、興味は尽きないところですが、
まあ、未来の話はいくらしてもキリがありませんので、
ここでは、我々の日頃のビジネスへのヒントを考察してみたいと思います。

まず、今日現在のAIをシンプルに定義すれば、「過去のデータを使って最適解を導き出す機能」と言えます。
AIというと、シミュレーションとか予測など未来を指し示してくれるイメージの方が強いですが、
その本質は、過去から次の一手を推測するということです。
愚直に過去のデータを洗いざらい参照してくれて、最適と思われる案を示してくれる。
とっても優秀なスタッフですね。

この優秀なスタッフを中小企業でも活用したいわけですが、
なかなかAIシステムそのものを導入するのは費用も高くつきます。
まずは、安価にできることとして、その考え方を真似てみましょう。
それは、シンプルに「過去のデータを活用する」ということです。

過去の販売データから製品別のクレームをリストアップしてデータ化する。
その製品を製造・納入する際、スタッフにそのデータを注意事項として伝えるようにすれば、
不具合を起こさない未然の対応が可能になる。
過去の見積書や設計図に分類のためのタグをつけてサーバに保存しておけば、
類似案件が発生した際に、容易にデータを検索して参照できるようになる。
過去の売上データから、ある商品と一緒に購入された商品をリスト化しておく。
レジの画面にそのリストを表示するようにすれば、入社したてのパートさんでも
オススメ商品をお客様にご案内することができる。

今回のAIブームが起きた最大の要因は、データの収集コストが低下したことと言われていますが、
この恩恵を中小企業でも活用しない手はありません。
例えば、スキャナーで帳票をサーバに保存する機能は今やコピー機に標準装備されています。
ファイル管理ソフトでは、ファイルにタグを付けたり、キーワードで検索したり、
PDFの文字を自動認識したりする機能が利用できます。スマートフォンやタブレット端末を使えば、
これまでPCを持ち込みにくかった製造や工事などの現場でもデータを参照しながら仕事が行えるようになります。
センサーやRFIDで現場の動きを可視化することもできます。
Excelデータをクラウドで共有できるソフトも安価に利用できるようになりました。

AIブームが示しているのは、「過去のデータを活用する」という、
とてもオーソドックスで身近なIT活用の基本なのです。
あらためて、会社の過去のデータの活用を考えてみてはいかがでしょうか。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
「多摩IoT Forum(TIF)通信」に寄稿したバックナンバーを許可をいただいて転載しています。
 東京都中小企業振興公社 多摩支社 HP http://www.technology-tama.jp/
 セミナー等の開催報告 http://www.technology-tama.jp/ipf/etc/


【中小企業とIoT】今後50年の会社経営に求められる大きな仕事

【中小企業とIoT】

「Airbnb(エアービーアンドビー)」や「Uber(ウーバー)」という新ビジネスの話題を耳にしたことがあるでしょう。前者は空き部屋を旅行者に貸し出す民間宿泊業的なもの。
後者は自動車の相乗り的なものですね。いずれも昨年話題になった「シェア」型のビジネスですが、このシェアという概念は、単なるブームではなく今後の会社経営において必然となるビジネストレンドとして、その重要性は高まっていくだろうと筆者は考えています。

2020年に東京に二回目の五輪がやってきます。前回開催の1964年から実に56年ぶりとなりますが、振り返ってみればこの50年間、日本はとても大きく変化してきました。
カー・クーラー・カラーテレビを筆頭に、ウォークマンやウォッシュレット、携帯電話、コンビニエンスストアなどなど、本当に様々な製品やサービスが登場し、おかげで日本はとても選択肢豊かな社会になりました。

でも、この時代でも、実は全く変化していなかった部分が一つあります。
それは、世の中で働いている人の比率です。
全人口に占める年齢層別の人口構成比を1965年と2000年を比較してみますと、年少人口(14歳以下)の比率は全体の25%から15%に、老年人口(65歳以上)の比率は6%から17%に変化しています。
そう、少子高齢化ですね。では、生産年齢人口(15歳~64歳)の比率はというと、この間、68%~69%でほとんど変化していません。

ところが、その生産年齢人口の比率は東京五輪の年には全体の59%へと一気に10ポイントも急減し、2050年にはさらに52%まで減ることが予測されています。
人口でも、2000年比で2050年には58%にまで大幅に減少、しかも、老年人口は実はほとんど減らない。
つまり、わかりやすく言えば、これまでの50年間は会社という存在は一定のまま、社会が子供中心から高齢者中心にシフトした時代でしたが、これからの50年間は、社会は一定のまま、会社、働き手だけが猛スピードで半減する時代になるのです。

もしこのまま会社の数が変わらないならどの会社も人手不足になります。
必然的に、会社数は減るし、商圏、商品、サービスレベル、会社の機能なども見直しを迫られる。
一つの会社ですべてをまかなおうというのが土台無理になる。
事業構造の枠内で経営を考えるのではなく、事業構造の枠組みそのものを考え直さないと立ち行かなくなります。
冒頭のシェアに象徴される事業連携や再編が不可欠になるというわけです。

すでに、シェア型ビジネスの例は枚挙にいとまがありません。
印刷所の印刷機の空き時間をシェアした「ラクスル」、トラックの空き荷スペースをシェアする「ハコベル」、縫製工場の空き時間をシェアする「シタテル」。
ギャラリーや飲食店内で家具を販売するコラボ型の「BRIDGE日本橋」や「カッシーナイクスシー」、宅配便の受け取りや洋服のお直しなどコンビニのシェアも進んでいます。

新興勢力だけではありません。味の素やカゴメなど大手食品メーカー6社は商品配送・物流拠点利用の共同プロジェクトを北海道で始めています。
日本郵船、商船三井、川崎汽船によるコンテナ船事業の経営統合、オイシックスと大地を守る会の経営統合なども最近のニュースです。
12/25の読売新聞では、東京TYフィナンシャルグループが、中小企業の事業承継やM&Aを支援するコンサルティング会社を来春設立するという記事も出ていました。

必ずやってくる他社とのシェア・連携・統合に備えて、ITやIoTにより会社経営のデジタル化を間断なく進めていくことが、これから50年の会社経営において経営者に求められる大きな仕事の一つとなります。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
「多摩IoT Forum(TIF)通信」に寄稿したバックナンバーを許可をいただいて転載しています。
 東京都中小企業振興公社 多摩支社 HP http://www.technology-tama.jp/
 セミナー等の開催報告 http://www.technology-tama.jp/ipf/etc/


【中小企業とIoT】見える化して、それでどうするの??

【中小企業とIoT】

前号では、社会の隅々にすでに入り込んでいるIoTの事例をご紹介して、「手が届く価格・性能の道具を使って、モノや仕事の可視化・定量化にチャレンジできる。これこそが、現在進行形のIoTの活用方法」というお話しをしました。
ここで、一つ考えなければいけないことがあります。可視化・定量化の先にあるもの、についてです。安くなったセンサーを使って、機械の稼働状況や部材の在庫、スタッフの動きが見える化できるとして、それでどうするの?という点です。

ご存知の通り、見える化はあくまでも手段であって目的ではありません。到達すべき目的はその先にあります。目的に照らして手段を考えなければ、必要かどうか、適切かどうかもわかりません。手段が一人歩きしてしまうことになります。IoTに限らず、IT活用においてもよく論点になるこのテーマ。わたしは日頃、次のような関係性をお客様にお示ししています。
見える化 → 行動 → 変化

「変化」というのは、経営上の変化を意味しています。売上が増えるとか、コストが下がるとか、顧客を増やす、生産性が向上する、スタッフが定着するとかです。「行動」というのは、その経営上の変化をもたらすための具体的な行い・施策。
すなわち、見える化により得られた判断材料を元に施策を実行してはじめて経営に変化をもたらすことができる。つまり、見える化は重要な“初めの一歩”ではあるが、二歩目となる行動を伴わないと全く意味がない。「行動」なくして「変化」なし、「行動」なくして「見える化」なし、ということになります。

例えば、「仕事はあって忙しいんだけど手残りが少ないんだよね・・」という課題。多くの企業が抱える課題だと思いますが、この場合に必要な経営上の「変化」は、採算を向上させるということですよね。では、採算を向上させるためには、どういう「行動」が必要で、そのためにどんな「見える化」が求められるのでしょうか。

採算を向上させるには、①採算の悪いものをやめるか減らす、②採算の悪いものの採算を上げる、③採算の良いものを増やす、という選択肢が考えられます。どれも簡単なことではありませんが、いずれかを実行しない限り、経営上の変化は生じません。これが「行動」です。
では、その行動を起こすために必要な「見える化」とは何でしょうか。前述したように「判断材料」を提供するのが「見える化」と考えてみましょう。

まず、商品や顧客・販路等について、それぞれの採算実態を把握しなければ始まりません。何が儲かっていて、何は儲かっていないのか。次に、その採算は時系列でどのように変化しているか、つまり、好転するのか悪化するのかを把握する必要があります。さらには、その採算はどのような経費構成なのかを理解することも必要です。そして、それぞれの経費項目がどのように組成されているのか(例えば工程別の作業時間など)、従事したスタッフの技能・生産性とはどのような関係にあるのか、・・・と、次から次へと必要な数字が思い浮かんでくるでしょう。

「IoTで何かできそうだ」という経営者の直感(これが最も大事なのですが)と、日々の経営で困っていること、すなわち、どうしても実現したい経営上の「変化」。この2つを「行動」がつなげます。
経営に「変化」をもたらすために、あなたの会社に今必要な「行動」は何ですか?現実にどのような「行動」ができますか?すべき「行動」が明確になれば、おのずと「見える化」すべきもの、そのための道具として活用すべきIT・IoTも明らかになる。
「見える化して、それでどうするの?」というこのコラムのタイトル自体が主客転倒してしまっているわけですね。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
「多摩IoT Forum(TIF)通信」に寄稿したバックナンバーを許可をいただいて転載しています。
 東京都中小企業振興公社 多摩支社 HP http://www.technology-tama.jp/
 セミナー等の開催報告 http://www.technology-tama.jp/ipf/etc/


【中小企業とIoT】IoTは”will be”なのか”being”なのか?

【中小企業とIoT】

IoT社会って、もうやって来ているんでしょうか?まだ先の話なんでしょうか?
最近のニュースからいくつかの事例を拾ってみました。

米ニューバランスとKDDIが共同開発したスマホ連動靴「FUMM(フーム)」が、この10月からよみうりランドのアトラクションに導入されたそうです。
カラーセンサーと圧力センサーを備えたスマートシューズをはいた子供たちが迷路内を移動すると、床の色に応じて音が鳴ったり、スマホ画面上に現れる恐竜たちと競争したりすることができる。はしゃぎまわる子供たちの様子が目に浮かびます。

島根県松江市の鹿島病院では、リハビリ機器とタブレット端末を連動させた治療方法を開発しました。「足こぎ車いす」というリハビリ機器でペダルをこぐと、タブレット端末に表示されたGoogleストリートビューが連動して動くことで、実際に屋外を散歩している気分が味わえる。単調なリハビリに達成感や楽しさを加えることで回復を早める効果があるそうです。

東京スカイツリーでは、超高層の窓ふき作業などを疑似体験できるVR(ヴァーチャルリアリティ)サービスを今年の7月から開始しました。これは、悪天候で視界が悪い時に行われるサービスで、ヘッドマウントディスプレイを装着してスカイツリーでの高所作業を疑似体験できます。VRは、高所や危険作業、複雑な構造・操作の確認など、企業研修での採用も今後加速していきそうですね。

トヨタ自動車、コメダ珈琲店、KDDIの3社の取り組みは少しユニークです。車の運転中にスマホを裏返して車中に置いておき、手を触れないで累積100km走行すると、コメダ珈琲店でコーヒー一杯無料で飲めるというキャンペーン企画がそれ。スマホのGPSやセンサーを活用するアプリはこれまでにもありましたが、それを業界横断的仕組みとして活用しています。

中小企業も頑張っています。
長野県の阿智精機では、トラックの積み荷を縛るベルトに、ゆるみを感知するセンサーを搭載した新商品を長野県工業技術総合センターと共同開発しました。自社製品の輸送時に荷締めベルトが緩んで事故になりかけた経験をもとに開発に取り組んだそうで、来春の製品化に向けて強度試験を行っています。

また、すでに何年も前から、M2Mやテレメタリングと言われる技術は広く社会で活用されています。自動販売機や証明写真機のつり銭管理、自動車のインタラクティブ・ナビゲーションシステム、メーターの自動検針やエレベーターの監視、遠隔地の機械の状態監視、バスのロケーション管理システムなど、例をあげればきりがないほどです。
販売、製造、物流などで利用されているバーコードやRFIDなどの自動認識技術も同様ですね。

いかがでしょうか?
見ていただいたように、モノのインターネット・IoTはすでに社会の隅々に入り込んでいます。IoT社会は、すでに始まっている現在進行形なんです。

今、目の前で起きていることは“レベルアップ”。既存の技術がより高度に、安価に、格段に使いやすくなっています。M2M通信サービスが安価になってきた。センサーが安価に高性能になってきた。製造機械の稼働状況の監視がやりやすくなってきた。
さらには、オペレータの動き、部品の動き、指示書の動き、工具の動き、などを可視化する手法も選択できるようになってきた。

IoTと聞いて、なにか突飛な新しいことをやろうと身構える必要は全くありませんし、未来を待つ必要もありません。手が届く価格・性能の道具を使って、モノや仕事の可視化・定量化にチャレンジできる。これこそが、現在進行形のIoTの活用方法なのです。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
「多摩IoT Forum(TIF)通信」に寄稿したバックナンバーを許可をいただいて転載しています。
 東京都中小企業振興公社 多摩支社 HP http://www.technology-tama.jp/
 セミナー等の開催報告 http://www.technology-tama.jp/ipf/etc/


【中小企業とIoT】自動運転なんて、未来の話だと思ってました。

【中小企業とIoT】

自動車の自動運転。
「いろいろ耳にはするけど、まだまだ先の話かな。」
「米国でのテスラの事故もあるし、解決すべき課題は多いよね。」
「身近な技術になるまでは静観さ。」
皆さんは、こんな風に考えていませんか?

2016年9月24日(土)、25日(日)の両日、長野県軽井沢町にて、G7の交通大臣による「G7長野県・軽井沢交通大臣会合」が開催されました。
2つあった会合テーマのうち1つは、「自動車及び道路に関する最新技術の開発・普及」。つまりは、自動車の自動運転に関する討議です。会合後に発表された大臣宣言では、自動運転の意義を確認し、早期実現に向けて各分野で協力を進めていく方針が確認されました。
自動運転がG7参加国の政策課題として明確に取り上げられたことで、今後、国レベルでの取組みも加速され、技術開発は急速に進展していくことでしょう。

そして、そのちょうど一週間前。とても興味深い番組が放送されていました。
ご覧になった方も多いかもしれません。9月17日(土)放送のNHKスペシャル「自動運転革命」です。
日産自動車への独占取材などを通じて、日米欧の自動車メーカー各社やGoogleなどによる自動運転技術の開発競争の現況と今後の展望について網羅的に伝える内容でした。
中でも注目したのは番組後半の10分ほど。自動車部品メーカーに焦点をあて、自動運転の進展が、部品メーカー、ひいては、日本のものづくり産業に大きな変革を迫っているとした部分です。

番組では自動車用バックミラー国内最大手の村上開明堂を取材。
自動運転の進展に伴い、人が目視により後方確認することを前提とした、従来からの鏡によるバックミラー生産の行く末に危機感を持った同社が、カメラやセンサーにより後方を計測・表示する電子装置としての“バックミラー”開発に精力的に取り組んでいる様子が紹介されていました。
“革新は辺境から起きる”という言葉がありますが、さにあらず。売上の9割をバックミラーに依存する国内トップメーカー自身による、自社製品を無力化するような新技術への真正面からの取り組みが、現実に起きているというのは衝撃的でした。

これはもちろん、部品サプライヤーへも重大な影響をもたらします。
従来製品には必須だった部品や技術が新しい製品には無用なものになる。自動車産業を生んだ蒸気機関が馬車産業に大きな変革を迫ったように、自動運転という大きな技術革新は、ドミノ倒し的に広範で根本的な影響を及ぼし始めているのです。

2週連続で筆者が目にした自動運転に関する2つの出来事。
これは、もはや偶然ではなく必然と見るべきでしょう。
レベル4といわれる完全な自動運転がすぐに実現するわけではないにしても、自動車を作る技術・部品・製造プロセスの革新は、実はもう目の前に迫っているのだと。

そしてこれは自動車関連産業に限ったことではありません。
自動車関連産業の就業人口は日本の全就業人口の8.3%を占め、全製造業の出荷額等に占める自動車製造業の割合は17.5%。機械工業全体に占める自動車製造業の割合は40.0%。このように日本全体に大きな影響力を持つ自動車関連産業における技術革新は、直接・間接に日本のものづくり産業全体にインパクトをもたらします。

中小企業においても、新しい技術への備え、それに対応できるようにするための会社の体力強化、自社の仕組みの強靭化、が本当に重要です。

番組中でNHKは自動運転技術について次のように結論付けています。“夢の技術から現実への新たな段階へ入ろうとしている”と。あなたの会社に喫緊の課題として突き付けられるのも、もしかしたら明日のことかもしれません。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
「多摩IoT Forum(TIF)通信」に寄稿したバックナンバーを許可をいただいて転載しています。
 東京都中小企業振興公社 多摩支社 HP http://www.technology-tama.jp/
 セミナー等の開催報告 http://www.technology-tama.jp/ipf/etc/


【中小企業とIoT】「見える化」 その先にあるもの

IoTへの関心の高まりもあってか、「見える化」という言葉が最近のメディアで語られる機会をよく目にします。

「見える化」とは、日頃は把握しにくい事象や情報を、人の目に入りやすいように加工して提示すること。

IoT関係であれば、センサーやRFIDを使ってモノの動きを計測してグラフ等で表示してあげる。
一般的なITであれば、毎日の売上をリアルタイムで確認できるようにする、とか、
コールセンターで受電した要望をキーワード別に集計してどんな声が寄せられているか確認する、とか、
レジ横に置いたメモに来店客の属性を正の字で記録するなんてのも見える化の取組みですね。

さて、ここで肝心なのは、見える化はなんのため?という視点です。
見える化というのは手段ですから、何らかの目的がある。
目的を見失うと手段に汲々とする。

見える化の目的は何か?

わたしは最近お客様にこういう図をお示ししてご提案しています。
見える化 → 行動 → 変化

変化というのは、経営の変化ということです。
行動というのは、マネジメントにおける打ち手ということです。

見える化により得られた判断材料を元に、打ち手を打つ。
それによって、経営に変化をもたらす。
もちろん、売り上げを増やす、コストを減らす、利益率を上げる、顧客を増やす、
スタッフを育成する、等々の経営指標の変化ということです。

つまり、簡単に言えば、見える化は行動するため。
行動なくして見える化なし。

そんな風に考えています。


IoT活用で変わる中小企業経営@広域多摩イノベーションプラットフォームでの講演

2016年7月25日に、公益財団法人東京都中小企業振興公社様が開催された
IoT関連セミナーでお話をさせていただく機会を頂戴しました。


広域多摩イノベーションプラットフォーム
「中小企業にとってIoT/Industry4.0は必須か~見極める力をつけるためのセミナー~」
セミナー概要はこちら

1.富士ゼロックス様のお話し
2.つながる町工場プロジェクト
 株式会社今野製作所代表取締役 今野様
3.中小企業の見積業務の革新
 株式会社NVT・月井精密株式会社代表取締役 名取様

という大変興味深い学びの多いご講演の後に60分の時間枠を担当したもの。
4.IoT活用で変わる中小企業経営

という演題にて、主に次の点をご説明申し上げました。

1)IoTって、誰か一人が取り組んでいることではなくって、いろんな業界の人たちが、それぞれ汗をかいて新しい技術を磨いていて、それの総体として、IoTという時代になってきた。これは、「やるやらない」の議論ではなく、「そうなる」世界の中で、自分がどう取り組んでいくかのお話し。

2)IoTがビジネスモデルや競争環境を変えるというのは、他でも多く論じられていて、その通り。

3)ただし、現在地をしっかり理解すれば、すぐに取り組めるのは「検出」と「スモールデータの解析」の2つ。

4)Industry4.0でさえ、描かれているロードマップは2035年までのロングスパンなもの。

5)それを踏まえると、短期(1-3年)、中期(3-10年)、長期(10-20年)での取り組みに分けて考えると整理しやすいのでは。

100人を超えるご来場者で、たいへん盛況でしたが、終了後の名刺交換も30分ほどたっぷり時間をかけて
20人以上の皆様と有益な情報交換をさせていただきました。

ご参考に資料を添付させていただきます。(ココをクリック
「IoTに使われない、IoTに振り回されない、IoTを上手に使えば、多くの人々・社会をもっともっと幸せにできる。」
という目線でお話しさせていただいております。



人を助けるIT

6月に入って慌ただしく過ごしていましたが、いつの間にか注目記事が山積みに・・・
どうしてもこの時期は、いろいろ重なるのです。
・7月からのブルーベリー園の営業準備
・今期が始まってから最初のセミナー集中期
・秋以降の商談
・協会の総会や今期活動の始動  等

さて、せっかくの機会なので、その山積みの記事を俯瞰して見ることにしてみました。
昨今はIoTを軸にした記事に注目することが多いわけですが、
なかでも、人を助けるIT・IoT、に自分の注目が寄っていることがわかります。

・トンネル事故防止のためのIoT
・心臓に貼るIoT
・人の代わりに倉庫を動き回って在庫確認してくれるロボット

わたし個人としてのテーマは、あまり寄り過ぎているときには、
あえて他の情報も取りに行く必要あり、ということですが、
やっぱりIT・IoTは、人の役に立ってナンボ、というベースは不変。
今後もこの流れのスクラップが続きそうです。

記事を俯瞰して思うのは、本当に日本全国でいろいろな人が
汗をかいているという事実。
記事になるテクノロジー・試みは、一朝一夕でできるものではないのは
言うまでもありません。
わずかなヒント、きっかけから、やると決めて歩みを始め、
壁にぶつかりながらそれをクリアしてきた。

IT・IoTは、もっともっと社会のために役に立つものになるのは
間違いないと再度確信した次第です。


HACCP義務化 農業者・中小企業には「経過措置」か

日本農業新聞の記事です。
2年後をめどに、HACCP(危害分析重要管理点)の導入が義務化される見通し。
この点は、これまでも専門誌や経済関係のメディアでは議論されてきた論点ですが、
農業者向けの日本農業新聞の一面トップ記事になっていた点に注目しました。

HACCPの義務化は、ロンドンオリンピックでの食材調達でGAPとかHACCPなどの
規格適用が進んだことで、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでも同様
な対策が必要、ということで、これまで自分とは関係ないね、ととらえていた
食の関係者・農業者も関心を高めている、という背景だと思います。

記事によれば、大手は8割、中小は3割が現在のHACCP導入率だそうです。
大手でも2割は未導入なんですね。論旨とそれますがここにびっくり。
で、問題は中小7割が未導入。
ここに6次産業化に取り組む農業者も含まれます。
「経過措置」は検討されているとありますが、「例外」という考え方ではないようですから。
10年先を見据えた商売をプランする上では、HACCP対応も必須要件になりそうです。

HACCP対応をサポートするITは確かにありますが、本質的には企業の負担は増えます。
要するにはこれまで管理していなかったことを管理するようになるわけですから、
手間暇は確実にとられるわけですね。
手間が増える→品質は変わらない→売り上げは変わらない。
これでは何のためかわからない。

手間が増える→品質を上げる→売り上げを上げる。
HACCPも投資の一つと考えて、それをフル活用・使い倒してやる!というような
意気込み・マンドセットがあわせて必要ですね。

(2016.5.25 日本農業新聞)


音響通信 車内放送に活用

スマホのマイクは人が聞こえない周波数の音も拾える。
これを利用した「音響通信」「音波通信」を活用したソリューションが少しづつ増えています。

JR東日本が2014年から提供しているアプリでは、ドコモのAir Stampというサービスを活用していて、
アプリを使っている人の位置を音波で検出し、適切な案内を出すというもの。
先日のリテールテックでは、他の企業でも同様の音波通信のソリューション展示も見られました。

そして日経MJの記事。
都営地下鉄と京急が実証実験を始めるそうです。
車内放送や案内板の情報を、音響通信を使ってアプリに送信。
アプリでは、英語・中国語など6か国語に対応して情報表示する。

これって便利ですよね。
自分が外国観光した時をイメージすれば、パリの地下鉄やローマの遺跡の前で
日本語で適切な情報提供してくれる。
Googleさんに頼ればいろいろ情報は出てくるけど、現実には屋外で情報検索するのは
やりにくいし、スマホに集中しすぎるとひったくりなどの防犯面でも心配。
これに自動翻訳機能が組み合わせるとまた、さまざまな応用もできそうです。

ITはもっともっと社会を幸せにしてくれそうです。

(2016.5.23 日経MJ)